人間が真相を観れなくなる大きな要素の一つとして『偏見』が挙げられます。

というのも、偏見は「真実と反した過去の行動」から生じた無知な自我によるものであり、カルマの法則は、人間が持つ偏見を解消すべく様々な困難を生じさせていきます。

そのため、周囲の人間関係は偏見を解消するに相応しいものとして形作られています。

今回の記事では、カルマの法則による偏見を解消する作用・偏見を解消するための方法についてお伝えしていきます。

自身の偏見対象が身近に現れる

自身に人によく配慮する性質があり、他者の気持ちに対して鈍感なマイペースな人に対して偏見がある場合、身近にそのような要素のある人が集まってくると思います。

それで、その相手から何か指摘されるなどして、「自分は人に対してこんな事言わないのに!なんでそんなに人の気持ちが分からないんだろう…」という不満を募らせることはあるでしょう。

これはカルマ解消の過程でもあり、同時に、成長するにあたって重要なヒントでもあります。

まず、なぜ、この過程がカルマの解消なのかについてお伝えいたします。

人が持つ潜在的性格は偏見対象と同質のもの

上記の例の場合ですと、前世の生き方によって出来た自我は「他者の気持ちに鈍感でマイペースな性質」でした。
そのため、今世においては他者の気持ちに配慮しやすい肉体的性質や、また、他者に配慮できる性格が育ちやすいように導かれています。

そのため、今、自身を傷つけている人は自身の潜在的性格と同じ面が多いということになります。(ただし、潜在的性格は無数の層を成して形成されています)

それで、人間は今世においては潜在的性格の改善が大きな優先事項であるがゆえに、前世に人に対してした事を自身が受け取りつつ、また、その困難の中でより一層、「相手(過去の自分)と同じことはもうしない!」という方向へと、まず舵をきることになります。

この場合では、より一層、人への配慮を学ぶことが大切になるでしょう。
このあたりまでは無自覚に多くの人が進んでいます。

さらに、次のステップとして、より人に対して配慮が出来るようになった後に、偏見対象(過去の自分)が持つマイペースさを得る道のりを行くことになります。

偏見対象から学ぶ道のり

真の意味で他者への配慮ができるようになるほどに、前世に持っていた(潜在的性格にあるような)マイペースさを発揮して良いようになっていきます。
というのも、他者への配慮ができる性質を身に着けたあとであれば、マイペースさを発揮しても他者を傷つける危険性が少なくなっているからです。

そこで、偏見対象から学ぶ必要が生まれています。

偏見対象から学ぶ方法を挙げると

  1. 偏見対象(自身を傷つける相手)の幸せを祈る
  2. 偏見対象の良い点を理解するよう努め、真似をする
  3. 偏見対象の良い点が自身に得られるように日々、願うようにする

などがあります。

1.偏見対象の幸せを祈る

誰しも偏見を持つ対象のことは許しにくいです。
しかし、その相手の幸せを願う事は、未来に自身の欠点を補う事になり、人生の成功に繋がるでしょう。

その原理についてお伝えいたします。

解説のために「他者によく配慮する性質があるけど、他者の気持ちに鈍感でマイペースな人に偏見がある」といった場合の例を用います。

自身を傷つけてくるマイペースな人に対する《嫌な相手》という思いは、「相手と同じ行動を取るまい!」という気持ちを引き起こし、自身が他者の機嫌に振り回される性質を強めることになります。
はじめはその過程により、他者への配慮を学ぶことができたのですが、自身に欠けているマイペースな部分を学ぶ段階になってくると不都合が生じていきます。

ですので、自身が偏見を持つ対象に対して幸せを願う習慣をつけることが大切になります。
やり方は簡単でして、「〇〇さんに幸あれ!」といった幸せを願うような言葉を心で念じるだけです。
相手に対する嫌な気持ちが起こる度に、それをするのが望ましいでしょう。

長く続けていくと、偏見対象に対する嫌な感情自体が薄れていくことになります。
すると、自身も偏見対象の良い部分を得るような出来事が起こりやすくなり、次のステージに進めるようになっていきます。

これを理解するのに良い例に、映画でよく使われるテーマがあります。
例えば、「自身の陰のような存在と闘うが、相手を受け入れ優しくすることによって結果、勝利し、陰の部分は自身と統合され、より良い自分になる」というのは、様々なアニメや映画で使われますが、これは嫌な相手の幸せを祈ることと本質的に同一だと思います。

2.偏見対象の良い点を理解するよう努め、真似をする

そのマイペースな人を分析した結果、「人の機嫌に振り回されない」という良い点があるとします。
そして、その人は、他の人が焦っている時でも平然としているとします。

この場合、自身は人が焦っていると自身も焦ってしまう事が多いのですが、その際、焦りからの行動をしないように努めることが大切になるでしょう。

他にも、例えば、マイペースな人が明るい服を着ていて、自身が暗い服を着ているのであれば、それを真似てみるのも良いでしょう。
心理的抵抗があるほどに、それは、何らかの良い影響を自身の精神にもたらしています。

3.偏見対象の良い点が自身に得られるように日々、願うようにする

上記の2の方法は初めから取り組んでも、分かってはいるけどできない、といった事も多いです。
そういった時に大切なのは、願うことです。

この場合ですと、『人の機嫌に振り回されない強さが欲しい』と心の中で日々願うようにするだけです。
他者の機嫌に振り回されやすい人にとっては、特に絶対的価値が高いことですので、それらが得られるようにカルマの法則によるサポートが人生展開上で得られます。

その結果、2のようなマイペースな人がやるような事が、いつしか自然と出来るようになっていきます。

善行により、幸せな形で偏見(カルマ)が解消されることも多い

この記事では困難から学ぶことをベースに書いていきました。
ただ、他者に対する善行などにより、良いカルマを大きく生んでいた場合、偏見がより幸せな形で解消されることも多くなります。

例えば、自身にとって偏見対象であった人が実はすごく素敵な人で、その人から助けられる形で、偏見が消えていった、などのことです。
今までの例を用いれば、偏見対象であったマイペースな人に誘われて様々な所に行ったが、その人が人間的に素敵で、その人のお陰でご縁が広がり、広い世界を知ることができた、などです。

この場合ですと、自然と偏見が解消されるのでかなり気持ちは楽な部分が多いでしょう。

ただ、このような展開は楽ではあるのですが、自分を変えようという意志力(逆境に動じない意志力)や、嫌いな感情を包括するほどの愛を持てるようにはなりにくいです。

そのため、例え、良いカルマを積んでいた場合であっても、心の器が広がるような困難はやってくるし、それは長期的に観れば大きな幸運だと思います。

なお、偏見が解消されるにつれて潜在意識からの知恵が多く得られるようになっていきます。
潜在意識からの知恵に関する事は以下の記事で解説しております。

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