「人間の意識の力が世界をつくりだす」とは、よく言われることだと思います。
そして、これ自体、ある程度は事実だと思います。

今回の記事では、人間の意識の力が世界を作りだす仕組みとその応用法についてお伝えいたします。

人間の意識『世界観』が持つ力とは?

人間の意識の力は世界を動かし、人生をつくっていきます。
特に、これは本人の意志に関わらず、その人が持つ世界観が人生に影響していきます。

世界観とはどのようなものでしょうか?

世界のあらゆる物に対するイメージ(観念)です。

例えば、学歴が無い自分は社会では通用しないという考え方の人がいたとします。
この場合「学歴が無い人」という概念に対して、社会では通用しないという捉え方をしています。

すると、実際に、なぜか学歴の事で人から否定されることが人生上で増えていきます。
その結果、仕事や人間関係において様々な問題を抱えやすくなると思います。

簡潔にお伝えすると、これが世界観(意識の力)です。

本人の意思としては仕事で成功したいと思っている場合においても、その意志に関わらず、そのように物事を観ているゆえにその通りの影響が引き起こされていきます。

人間はあらゆる記憶を世界観として蓄積していて、その記憶を特定の観念と結びつけています。

他には、「人間は素晴らしい生き物だ」といった世界観を持っている場合、その先の人生では人から親切にされる機会が多くなるでしょう。また、自身もそうなるように振る舞い、また、相手もそうなるように無意識に振る舞うことが多くなります。

このように自身が持つ世界観というのは、自身のみならず、相手の行動にまで影響していくのです。
まさに世界をつくりだしていると言っても差し支えないような力だと思います。

ただ、同様に、相手の世界観も自身に影響しています。

相手の世界観も自身に影響していく

多くの人が経験していると思うのですが、自身のことを信頼していない親や上司の前では、なぜかミスをしやすくなります。さらにいえば、思考までもが上手く働きません。
また、逆に、自身を信頼している人の前では、なぜか物事がうまくいきやすくなります。思考もスムーズに働きます。

これは相手の世界観の中にある「自分」や、または他の概念に、信頼できない性質の観念が結びついているためです。

このように、自身の世界観だけではなく、相手の世界観なども影響しあってこの世界はつくられています。
さらには、自身と縁もゆかりも無いような遠くの人が持つ世界観なども影響しているのが実際の所と思います。

ただ、自身の人生に一番大きく影響してくるのは、紛れもなく自身が持つ世界観でしょう。
そのため、世界観を変えることでも人生を変えることはできます。

どのように世界観はつくられるのか?

僕の知る限りでは、世界観は

『 出来事 』+『 外部からのリアクション 』

によってつくられることが多いです。

例えば、テストで低い点数を取ったときなどに、親などから「こんなに悪い成績を取るなんて本当にダメな子だね」と言われたとします。この場合、低い点数を取った記憶とその親のリアクションが結びつき、その人の世界観に《自分のやったことで人から否定される》《自分はダメな人間だ》といった観念がつくられていきます。

そして、実際に、その後の人生で人から否定されることが増えてしまうでしょう。

逆も同じです。
自身が何かアイデアを出した時などに、それを「そんなアイデアを出せるなんてすごいね!」と褒められた場合、世界観の中に『自分のやったことで人から認められる』『自分は良いアイデアを出せる』といった観念がつくられていきます。

そして、実際に、その後の人生で自身のやったことで人から認められる機会アイデアを出せる機会が増えるでしょう。

とはいっても、一回の出来事と外部からのリアクションだけでは、その世界観は定着しないことも多いです。
ただ、同様のことが続いていくと、ほぼ確実に定着していきます。

そして、自分で世界観をつくる方法も上記の原理に沿ったものになります。

自分の世界観をつくる方法

出来事+外部からのリアクション

の、外部からのリアクションの部分を自分で行うことができます。

例えば、人から少しでも親切にされた時に、「人間は素晴らしい存在だ」「私はいつも人から愛される」といった言葉を紙に書くようにします。また、その時に紙に書けなければ、その夜にその記憶を思い出しながら紙に書くことでも可能です。

すると、親切にされた記憶と自身の書いた言葉がリンクして、世界観に定着しやすいです。
これが世界観に定着すると、人生の中では文字通り、素晴らしい人に出会いやすくなり、そもそも人の中に素晴らしい点を見出すようになるでしょう。
また、自身も相手から素晴らしい点を引き出すような振る舞いを無意識にするようになります。

他の例では、何かを継続してやることで上手くいった時などに、「私は成功するまでやる強い意志力の人間だ」といったことを紙に書きます。
これが世界観に定着すると、当たり前のように、何かが成功するまで続けることができるようになるでしょう。

このように、自身に起こった出来事(記憶)に対して、身に着けたい観念の言葉を自由に紙に書いていきます。
これが自分の世界観をつくる方法です。

ただ、問題なのは、依然として、自分には過去に蓄積された世界観があるということです。
これを中和するか、打ち消すほどの良い世界観を持つためには、最低でも5年ほど続けるぐらいの意識で取り組む必要があると思います。

世界観を変える重要性と効果を考えたら、十分に価値のあることだと思います。

それで、次は、他者の世界観に配慮する大切さについてです。

他者の世界観に配慮する大切さ

まず、初めにお伝えしたいのは、他者の世界観をつくる(配慮する)意識の重要性です。

なぜ、これが大切なのか?
自身の他者に対する言動や立ち振る舞いは、そのまま自身の世界観をつくることに繋がっているからです。
そのため、自身の世界観をつくることと、他者の世界観をつくることは、切っても切り離せない関係にあります。

では、それはどのように作用するのでしょうか?

例えば、会社で上司と部下の関係にある2人がいたとします。
その上司は怒りっぽく、すぐに怒鳴り散らす傾向があります。部下は神経質気味で上司の機嫌を損ねないようにいつもおどおどしています。

上司が部下に怒鳴る度に、上司は《人のやり方が許容できず、イライラしやすい》といった性質が増すか、維持されることになるでしょう。そして、徐々に人に対して許容できる範囲が狭まっていき、自身の心を締め上げていきます。

部下の方は、《人の顔色を気にして自由に動けない》といった性質が増すか、維持されることになるでしょう。
こちらもまた、徐々に自由に動けない性質が強まっていき、自身の心を窮屈にしていきます。

このように、上司の部下に対する立ち振る舞いにより、部下のみならず、上司自身にも影響が返ってきている事が分かります。
世界観はカルマの法則とも密接に関係があり、これもまた切っても切り離せない関係にあります。

次は、良い例でお伝えいたします。

結婚生活を送る二人の男女がいます。
女性が常に男性に対して、男性が何かをしてくれた時に「いつもありがとう」「本当に頼りになるね」といった言葉をかけるとします。

すると、女性の世界観には『人を信頼できる』『人の力を借りられる自分』『心穏やかに人を褒められる自分(不要なプライドが少ない)』といった観念が出来ていきます。
男性の世界観には『人から頼りにされる』『意欲的に誰かを助けることができる自分』といった観念が出来ていきます。

この場合、男性に対して、褒めるなどの行動をした女性に対しても、良い世界観がつくられていることが分かります。

このように、他者の世界観をつくることは、自身の世界観をつくる事とも繋がっています。

他者の世界観をつくる方法

基本的には、『相手の記憶に残りそうなタイミングで、相手に良い観念が身に付くような立ち振る舞いをする』という事につきると思います。

僕の場合、特に、世界観づくりをベースとした育児を行っているため、これを基にお伝えいたします。

僕には娘がいるのですが、その娘が赤ん坊の時には、主に『娘が目を覚ました時』『娘が眠りに落ちる時』の2つを重視していました。そこが大きく娘の記憶に残りそうなタイミングと考えたからです。

実際に何をしていたかというと、娘が目を覚ました時に、すぐに近寄って「起きたの~!」など声をかけつつ、時には頭を撫でつつ、すごく喜んでみせるようにしました。
そして、娘が眠りに落ちる時には、身体をさすりつつ、娘が温かい気持ちで寝られるように気をつかいました。
※実際は、他にも様々なことを試みていましたが。

この事によって娘の世界観に「人は常に自分に好意を寄せてくれる」「人は常に自分を大切にしてくれる」といった観念が身に付くと考えたからです。

その結果は、その後の、娘の情緒の安定でも分かりましたが、一番よく分かったのは娘が公園に行って人に話しかけられる年齢になったぐらいの時です。

娘は知らない子に対してもどんどん話しかけ、公園に行くたびに、1人~2人の友達をつくります。
多い時では3~4人の友達をつくっています。

人に対する恐れが無いためか、どんどん話しかけるようになっていました。
娘には自閉症と軽度知的障害の両方があり、本来なら定型発達の子とコミュニケーションも難しいはずなのですが、世界観の力なのか十分に仲良くなることが出来ています。

また、娘が大きくなると、娘の世界観づくりのために出来ることが増えていきました。
娘が何かを練習して、少しでも結果が出る度に「練習してそんなにうまくなるなんて、すごいね!」「練習するの本当に得意だね」などの言葉をかけるようにしました。

その結果、娘は何かを練習して上手くなること自体が大好きであり、それが娘の常識(世界観)になっていると思います。

それで、これは大人に対してやるのも同様だと思います。

基本的には『相手の記憶に残りそうなタイミングで、相手に良い観念が身に付くような立ち振る舞いをする』というのが大切であるのは変わらないでしょう。

とはいえ、大人同士だとこのようにシンプルにはいかない事も多いのが事実です。
実際の所、「相手のためにどのように振る舞うのが良いか?」と、それぞれの人が真剣に考えながら臨機応変に対応していくしかないし、それが最善と僕は考えています。

ただ、最後に、この『世界観』に関してお伝えしておきたい重要なことがあります。

良い・悪い世界観のどちらも幻である

世界観そのものは幻です。
例えば、人に対して良いイメージを持っても、悪いイメージを持ってもそれは幻です。

重要な事実として、人は精神成長を果たすほどに自身の世界観から影響を受けなくなっていきます。
その世界観が良いにしても、悪いにしてもです。
人間に対するイメージなども持たず、ただ、物事の真実が観えやすくなっていきます。

ただ、実際は世界観は幻のようなものであっても、この世は、その幻が実際に力を持ってしまう場でもあります。
そのため、世界観から変えることも手段の一つでしょう。僕自身は、過去、カルマの法則を検証しつつ世界観を変える方法も実践していました。

最終的に僕がいきついた結論としては、本来、人は精神成長をして『自身の世界観という枠組みそのもの』から脱することが最も良いということです。
また、カルマの法則は人間の世界観に真実との乖離があれば、それを正すために様々な出来事を起こすでしょう。
それが、全てが世界観どおりに事が運ばない一つの大きな理由です。

しかし、世界観の仕組みを知り、それを変えるような経験が必要な人もいると思うので、今回、この記事を書かせて頂きました。

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