「善行は陰でやるこそ尊い」という感覚を持つ人は多いです。
人間の歴史上、陰の善行の尊さは古来から陰徳といった概念で伝えられてきていると思います。

それで、僕なりにカルマの法則を理解してきた結果、「善行は陰でやるからこそ尊い」という概念には一理あります。

今回の記事では、陰での善行が報われやすい理由についてお伝えいたします。

陰徳はどのようにつくられ、働くのか?

結論からお伝えすると、陰での善行は素の自分を変える作用が強く、より「人のためを思える心」「より賢い判断のできる力(悪い行為を避ける力)」などが向上しやすいです。
陰徳という概念に照らし合わせるなら、まさに陰徳がついた状態なのでしょう。

その一方、人前でのみ善行をする場合ですと、逆に「善に対する反発心」「人の目を気にする性質の自我(不要な自尊心の元)」などが増えやすく、陰での善行ほどは報われにくいように思います。

なぜ、人前でのみ善行をした場合、善に対する反発心が生じやすいのかと言いますと、人前でのみ、その善行をするということはそれは《本当はやりたくない行為》であり、すると、深層心理において善に対する反発が生じます。
(嫌いなことを無理やりやらされると、より一層嫌いになるのと同じです)
すると、逆に、人格に歪みが生じ、日頃の行為にも少し問題が生じてくるでしょう。

厳しい躾の結果、親の前では挨拶などをハキハキとする良い子が、兄弟や友達と二人きりになった瞬間、相手のことをイジメだすケースは頻繁に観られます。(この場合、親に善行を強制されているケースです)

そのため、「人前でのみ善いことをする」ということでは、真の意味で人に対する思いやりを持てたり、賢い選択のできる知性は育ちにくいです。

以前からお伝えしている通り、カルマの法則においては、善行に対してまず自身の人格に対して恵みが返ってきます。
その点から言うと、明らかに陰での善行のほうが報われやすいと言えるでしょう。

ただ、今回、人前での善行・陰での善行といった言葉でお伝えしておりますが、その本質的な意味は「その善行に何らかの物的見返りがあるか」「その善行に何も物的な見返りが無いか」だと思います。

善行の多くには陰・表のどちらの要素もある

人前で善行をした場合には、その際に、「人からの称賛による自尊心の向上」「相手からの印象が良くなり相手から優遇されやすくなる」など、様々な物的見返りがあります。
そして、それらが無い部分で善行をするのが陰での善行ということになるでしょう。

ですので、人前でやるのでなくとも、その善行により何らかの物的メリットを受けられる前提なのであれば、陰での善行には当てはまらないと思います。

それで、多くの場合、人間の善行にはどちらの要素も含んでいます。

例えば、人の良い点などを褒めるというのは、「相手から好印象を持たれる」などのメリットも伴いやすいのですが、このメリットを意識すればするほど、それは人前での善行(見返りがある前提での善行)になると思います。

ほとんどの場合、どちらか?という事は無く、どちらの要素も含んでいるのが実際でしょう。

なお、人前での善行の全てが悪いわけでは無いと思います。

人に対してより良い影響を与えるための善行

自身が善いことをして、他の人に、「善いことをしたら、このような善いことがあった」などの事を言うのは、見返りがある前提での善行になりやすいのが事実でしょう。
(人から好印象が得られるため、それが目的になってしまった場合は、自身の人格に良い影響がいきづらい)

ただ、今回の記事で扱っていない尺度として、善行においては「相手に与えた結果で測られる部分」も存在しているゆえに、その結果が良い場合、自身の人格に良い影響がおよぶ面も存在しています。

そのため、結果として、自身の影響により相手が何らかの善行をするきっかけに繋がったのであれば、自身の人格にその分の良い影響が返ってくると思います。
(一例を挙げると、人に知識を与えた分、自身はより奥深い知識が得られたり、人に気配りの大切さを教えたのであれば、自身は気配りをより一層”無意識”にできるようになったりなど)

相手のためを考えたのであれば陰・人前に関係なくやる方が良い

陰での善行(物的見返りの無い善行)・人前での善行(物的見返りのある善行)によって自身に返ってくる影響は変わるとお伝えしてきましたが、相手のためを考えてやるのであれば、それはベストだと思います。

なぜなら、真剣に相手のためを考える思い自体が、善行の純粋度を上げることに繋がり、結果的に自身を変えることになるからです。

また「相手にもたらした結果によって変わる部分」も存在していますので、基本、自身の動機以上に、相手のためになると思うならやる事が大切だと思います。

今回の記事に関連して、以下の記事では「実際に人の役に立つためにはどうしたらよいか」というテーマで書いております。