カルマの法則について
「悪いことをしたら、自分に悪いことが返ってくる」
「良いことをしたら、自分に良いことが返ってくる」
といった漠然としたイメージがあるかもしれません。

それほど間違いではないと思うのですが、これだと、カルマの法則を生活に活かすことは難しいかもしれません。
今回の記事では、できるだけ分かりやすく、カルマの法則の基本原理を解説したいと思います。

行為→人格→結果

カルマの法則は

行為 → 人格 → 結果

という流れで起こることが多いです。

例えば、誰かを不当にどなりつけた場合ですと、《感情のコントロールが苦手な性質》《怒りにより判断を見誤る性質》《自分の価値観以外を許せない性質》などが、人格に身につく、または強化されます。

この時点で、行為が人格に影響しているのが分かると思います。

次に、上記のような性質は、他の場面でも感情のコントロールができない、怒りにより判断を見誤る、自分以外の価値観を許せないことによる問題を引き起こします。

多くの場合、それは、自分にとってストレスが大きく、不利益があるようなことだったりします。
具体的にあげるなら、自分が部下をどなりつけたことで解雇される、怒りにより体の調子が悪くなる、普段から誰かを許せないことで悶々と葛藤を続ける、など様々な形で起こります。

この時点で、人格が結果に影響しているのが分かります。

次に、良い例でもお伝えさせて頂きます。

慈善団体に寄付をした場合です。
(実際にその団体がお金を有効に使ってくれる、という前提)

まず、寄付をした事で自身に『人のために何かをするのが苦では無くなる性質』『自身の所有欲に囚われない性質』などが大なり小なり身につきます。
すると、人のために何かをするのが苦ではないため(むしろ、心地よく感じるため)、進んで誰かの役に立とうとします。
すると、その過程で人から褒められたり、仕事がもらえたり、知識やスキルが向上したりなど、その人の長期的未来にとって良い結果が起こります。

所有欲に囚われない場合においても、所有欲が少なくなることで経済的なことに関する不安などが逆に少なくなり、日々を気を楽にして生きられるようになっていくでしょう。

また、相手に与えた影響などもそこに加わります。

相手に与えた影響が自分に返るプロセス

そのプロセスを簡潔にお伝えするなら

「相手が自分を通じて得た結果」が、自分の人格・能力にストックされる

というような形です。

例えば、誰かの望みを叶えてあげたとします。
すると、自身には望みを叶えるために必要な意志力・メンタルの強さなどが手に入ります。

他には、誰かを励ましてあげたとします。
すると、自身は人から励まされる必要が無いぐらい強いメンタルが手に入ります。

悪い例でもお伝えすると、
例えば、誰かの悪口を不当に言うとします。
すると、自分に人から悪口を言われるだけの何らかの要素が染みつきます。
(狡猾な性質であったり、横暴な性質だったり)

他には、誰かから物を盗んだり、不当に搾取した場合です。
すると、自分は何らかの物を失うだけの要素が染みつきます。
(浪費癖であったり、当てにならない思考パターンであったり)

基本的にはこのような形です。

人格に未来の結果がストックされているという見方をするのが良いように思います。

なお、人格にストックされた要素が表に出てくるかはかなりの個人差があります。
というのも、人それぞれ、精神の成長速度が違うからです。
(他にも、様々な要素がありますが)

人から搾取しているのに大金持ちでいられる人がいるのは、このような理由があります。
精神の成長速度が遅いゆえに、天狗のままである期間が長いものになっています。

ただ、その場合でも、人格に未来の結果はストックされています。
特にそれが分かりやすいのは《 偏見 》です。

偏見(未来の困難)とは何か?

偏見というのは真実と乖離した思い込みのことです。

そして、偏見は必ず、カルマの法則により解消されるものです。
その際に困難が伴うため、偏見=未来の困難と言えるものでしょう。

例えば、お金を沢山稼いだことで《収入の低い人は愚かだ》と偏見がつくられた場合、多くの場合、未来には自身が収入の低い立場になることで偏見が解消されていくことになるでしょう。

信じる人とそうでない人に分かれる所ですが、この世で解消されていない偏見は、死後の世界にて解消されることになります。

この世だけで観ると、横暴だけど経済的に恵まれたまま寿命を迎えた人のことを、勝ち組のまま死を遂げた、という見方がされることが多いですが、これは、事実とは違うと僕は考えています。

それで、この世にいる時点で偏見が解消されることも多いです。

むしろ、精神成長が速ければ速いほど、より多くの偏見が解消されるでしょう。
そこには多くの困難があると思います。

しかし、カルマの法則からすると、こちらの方が人間にとって救いのある事としています。

これは人間的な視点と異なる部分でして、人間はこの世での生のみで判断をしますが、カルマの法則は永遠の生(死後の世界・来世)まで含めた判断をしています。

ただ、この世での精神成長(偏見の解消)は長期間やればやるほど精神の力がつき、困難は少なくなる傾向があるため、精神の成長に目標をおいて努力していった人は困難にまみれたまま一生涯を終えることは少なくなると思います。
もちろん、これには相当な個人差があるのは間違いありませんが、精神の成長と相対的に困難は減っていくものです。

例えば、多くの場合、RPGゲームではレベル1の時期が一番大変ですが、レベルが上がるほどに魔法やスキルを覚えたりして、結果的に楽になっていくことが多いと思います。
これと同じような捉え方で良いかもしれません。

次に、カルマ解消(精神成長)の方法についてお伝えいたします。

カルマ解消の2つの方法

カルマ解消には大きく分けて

1 今の自分では抵抗を感じるような他者への貢献をするか
2 今の自分による感情を超えた行動をするか

の二つがあります。

まず1についてです。

例えば、今の自分に《家事は女の人がやるもの》という偏見(性質)があるなら、その心理的抵抗を超えて、家事を積極的にやるといったことです。
今の自分ではしんどく感じるような他者への貢献、これが自我(カルマ)を破るのに有効です。

特に、自分に対する物的メリットが全く分からない貢献である方が、より多くの自我(カルマ)を破ることができる傾向があります。

次に2(今の自分による感情を超えた行動をする)についてです。

例えば、大まかにお伝えすると、不安な時ほどゆとりのある行動をとったり、めんどうくさいと感じた時ほどそれをやる、焦って居てもたってもいられない時ほどゆっくり何かをやったり、何もしないようにしてみたり、などです。

具体的に言うと、

・誰かに対して腹を立てている時ほど、その相手に対して優しくしてみる
・何かせわしくない気持ちで忙しい時ほど、瞑想の時間を取る

などのことです。

今の自我(カルマ)というのは、何らかの行動をする傾向があります。
せわしない人であれば、過剰に動き回ったりなどです。

その無意識に出始める何らかの行動傾向をあえてストップしたり、また、その行動傾向から外れたような行動をとるのがカルマ解消(精神成長)に有効だと思います。

無意識に出始める行動傾向をストップするところに、人間の自由意志はあり、未来の展開を変える力があります。

次は、人間の自由意志はカルマの法則に大きく影響するということに関してお伝えいたします。

人間の自由意志はカルマ解消を劇的に速める

無意識の行動傾向に流される状態では、実際の所、自由意志はかなり希薄な状態です。
そのため、人生に翻弄されるだけになりがちでしょう。

実際の所、自由意志をもって精神成長(カルマ解消)に取り組むと、想像するよりもずっと速く良い未来に辿り着けますし、困難も劇的に減っています。

ただ、自由意志というのは掴みどころの無いテーマですよね。

自由意志というのは「無意識の行動(思考)傾向から外れた思い」の事と考えて差支えないと思います。

そして、自由意志の力が大きい状態というのは、無意識の行動・思考傾向から外れた思いを長期間保ち続けている状態です。

そのための具体的な方法をお伝えいたします。

例えば、人からの言葉に傷つきやすいのであれば、「他者からの言葉を超越した不動の心を得る」といった言葉を、毎日、1日1回、紙に書くようにしてください。
僕の場合は未来形で「〇〇を得た」といった形にしていますが、しっくり来る方を選ぶのが良いと思います。

これを長期間続けていきます。
1日1回でも書き続けると、意識に”自身が目指すもの”をずっと保つことができます。
そこから、過去の行動傾向(カルマ)とは外れた行動が生まれていくでしょう。

とてもパワフルな習慣ですので、実践してみるのも良いと思います。

このように自由意志を行使すると、過去の自我(過去の傾向)を破るために必要な困難が少なくなります。
例えば、消極的な人が積極的になるにあたって、本人が消極性にずっと流されていると、そこには、《消極的な自分なんてもうイヤだ》と思わされるような体験が続いていきます。

しかし、この場合、毎日、紙に「私は何でも達成できる強い心を得る」という言葉を書いている場合、上記のような体験はかなり少なくなってくるでしょう。
すでに本人が成長のために動き始めているので、変化を促すための困難をカルマの法則が用意する必要が少なくなるからです。

多くの人に訪れている困難の大部分は変化を促すための困難です。

そのため、自由意志を行使することにより困難は減っていきます。
実際の所、自由意志を持って成長を志す人と、そうでない人とでは、天と地ほど成長速度が違うと思います。
また、困難を経験する期間も同じく、天と地ほどの差があるのが事実かもしれません。

人間には過去の傾向(カルマ)を破る自由意志があり、それはあらゆる面で人生を変えられるでしょう。

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